世界遺産である松下村塾にて演奏してきました。
昨年より、起業家育成のやまぐちみらいベンチャーに参加していたのです。
スタートアップとは何かもわからずに飛び込んだが結果良い勉強となりました。
音楽、文化芸術関係でのスタートアップはあまりないそうで、なぜかというのも次第に分かってくるのですが、なかなか難しい、ので途中脱落。
音楽が理解できる、価値を認められる環境づくりのために働きかけたいと思っていた私にとって、起業マインドはもともとなく、自分の身を削って、やってきたものをひたすら若い世代に繋いでいく、披露していく、教えてゆくという職人魂だったのですが、そればかりではいかないこの世の中。なんでもやってゆかなかればいけない、というか新しい試みにも積極的に情報をキャッチしながら、取り入れてみる姿勢は続けてゆかなければなりません。
そして一番大切なのは、何かやってみたいと思う人たちとのつながり。必ずしも、というか多分ほぼ、異業者(得意分野が異なる人々)とのつながりが必要だと感じました。
私一人では考えもつかないようなアイディアが出てくるととても刺激になります。
山口を代表して、起業する人たちを応援するためのプログラムの最終段階のピッチ=プレゼンテーションが松下村塾で行われました。途中で落ちこぼれてしまった私にでも、自己紹介をさせていただける枠をいただけ、なんと世界遺産の松下村塾で演奏までさせてもらえました。
この敷地内でかつて楽器演奏をしたことはあるのでしょうか? 初なのでしょうか?
今回についてはきちんと許可を得ているようなので安心ですが、なんだか偉業を成し遂げたようで感無量です。
これまでオンラインで、進歩状況を少しだけみていた方々の最終ピッチがとても素晴らしく、自分のことのように嬉しく、この先の成長がとても楽しみです。
当日話した自己紹介とやりたい取り組みについて(抜粋)
小学校の吹奏楽部でクラリネットと出会い、日本の音楽短期大学を卒業してから、アメリカへ留学しました。素晴らしい環境、指導者に恵まれて、コンクール受賞や、プロのオーケストラなど経験を重ねてくることができました。
2016年に中国の上海から日本へ移り柳井で生活を始めました。娘は当時3歳だったのですが、それまでの、大都市の大気汚染から解放され、この静かで豊かな自然や空気の中生活できることに喜びを感じていました。
しかし音楽を含む文化芸術環境が大都市よりかなり行き届いていないという現状があることに気づきました。
例えば
学校の吹奏楽部を見ても地方では学校自体の生徒数が少なく、大抵は少人数で活動するしかありません。これを学校単位で区別するより、個人の音楽性や芸術面を小中高と長い目で、そして地域ぐるみで育てることが可能なユースオーケストラを作りたいというのが私の夢です。
部活の顧問も音楽専門ではない先生が多く、子供達が楽器別に専門的な指導を受けることなく学生生活を過ごすのが現状です。
こういった面では、英語圏においてSmartmusicという音楽教育カリキュラムが存在します。生徒は楽器別に演奏の仕方をオンラインで学べたり、教師は生徒の進歩の状況をデータで把握することが可能です。私は現在岩国基地の高校生を教えていますが、彼らのように数年周期で移動を強いられる環境にあって、このプログラムがあることはとても役に立っています。わたしはこのようなものを日本で活用させていきたいと思っています。
これらを通して現在直面している学校縛りの吹奏楽文化そして過疎化、教師の働き方改革の問題改善のためにも地域のコミュニティーを形成するユースオーケストラは大いに生かされることでしょう。
そしてスマートミュージックのようなシステムが日本語で提供できれば、全ての子供達が音楽、中でも楽器を効率的に学べる環境が可能になることでしょう。このような将来を実現できたらいいなと思っています。